Asian River Restoration Network (ARRN)

アジア諸国における河川再生に関する情報交換を目的とした組織として、2006年11月ARRNが設立されました。日本におけるARRNの活動は、日本河川・流域再生ネットワーク(JRRN)が担います。

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海外事例

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ゴライ川の再生事例(バングラデシュ)

 ガンジス川の派川の一つであるゴライ川は、この地域の貴重な淡水供給源ですが、この20 年間、ガンジス川の流量低下の影響により乾季(12 月-4月)の流量が減少し続け、また保護林周辺の沿岸地域においては塩水の浸入が増加している。  そこで、バングラデシュ政府は、乾季流量と生態系バランスを復元するためにはゴライ川を直ちに浚渫する必要があると判断し、1996 年12 月に『ゴライ川復元プロジェクト(GRRP)』の実施を決定しました。この結果、乾季に閉ざされていたゴライ川の流入口は、オランダ政府とベルギー政府からの出資のもと、PPW(Pilot Priority Work)プログラムにより浚渫が行われ、流入口は開かれた状態に維持されています。


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ライン川の再生事例(ドイツ)

 ライン川上流(バーゼル~ビンゲン)では、1860 年頃より洪水軽減と内陸舟運のための河川整備が行われ、1930 年頃には水力発電と内陸舟運の整備も行われました。また第一次大戦後のベルサイユ条約でフランスはライン川の権利を獲得し、ライン川に並行して舟運のための別水路も新設しました。  これらの上流河川改修等により氾濫原が減少した結果、下流域で洪水が頻発するようになり、これを防ぐためのライン川総合治水計画が立案されました。この計画基づき、氾濫原の復元および保全によってライン川上流域における洪水調節機能(2 億7 千万㎥)の回復が図られ、政府諸機関やNGO(非政府組織)が中心となり、水質改善や魚類の自由な移動の復元、またハビタットの多様性の改善などを焦点とした活動が行われています。


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ライン川の再生事例(オランダ)

 オランダを流れるライン川の自然景観は、過去数世紀にわたる人間活動によって劇的に変化してきました。堤防による氾濫原の減少、氾濫原の農地利用、舟運のための河道整備、及び大量の廃棄物の投棄が生態系に影響を及ぼし、ライン川の環境は著しく悪化し、1970 年代には「ヨーロッパの下水道」とも呼ばれたほどです。  こうした中、1986 年にスイス・サンドスで起きた化学工場火災に伴う水質事故を契機に住民の環境意識が高まり、「2000 年にはライン川をサケの泳ぐ河にする」を合言葉に、「ライン川行動計画」が立案されました。ライン川周辺の自治体の懸命な努力の結果、1980 年代の終わり頃からライン川の環境は衛生上良質な例に挙げられるまでに回復しました。


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慶安川の再生事例(韓国)

 河川の生態系を健全なレクリエーションや文化的な活動と調和させることが最も望ましいという考えから、慶安川の復元プロジェクト事業は開始されました。  この事業は、将来世代のため、よりよい生活、よりよい地球環境のために、慶安川の生態系の自然機能を復元し維持すること、またクリーンな自然の河川文化を実現することを主な目的としています。これらを実現するための基本原則として、生態系アプローチが用いられています。自然にできるだけ近い形にするというコンセプトによる韓国初の試みとして、河道・流域湿地復元の布石となる事例と言えます。


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チェサピーク湾の再生事例(アメリカ)

 産業の発展、人口の増加に伴う流入負荷の増大により、閉鎖性が強いチェサピーク湾の汚濁が進行しました。その後、豊かな自然環境を取り戻すことを目標に、連邦政府、州政府が1987 年に沿岸海域関連者の協力を得て、「チェサピーク湾におけるリプログラム」を策定しました。  このプログラムには連邦政府の環境保護庁(EPA)、米国海洋大気局(NOAA)、関係4 州の大学研究機関、NGO 組織など多くの関係者が参加しています。また、このプログラムでは、湾内魚介類、海洋生物の回復に重点を置き、リンを含んだ洗剤の禁止、農業管理の向上、栄養塩の生物除去、下水道、排水規制、住民の環境教育の徹底などが含まれ、更にはミチゲーション事業も実施され、湿地帯復元や藻場の造成も行われています。その後、2000 年の合意を経てこのプログラムは大きく進展し、湾内の環境保護・回復に寄与しています。


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ボストン湾の再生事例(アメリカ)

 ボストン湾再生プロジェクトは、関連都市数43、計画人口約200 万人、企業数約5,500 社、工期11 年、総事業費約38 億ドルという米国最大規模の下水道事業として実施されました。1997 年に設立された米国マサチューセッツ州水資源庁は、関連43 都市の利害を調整するとともに、自ら多くの専門スタッフを抱えてプロジェクトを実施し、さらにそのプロジェクトに必要な財源を確保するための大がかりな市民を巻き込んだ運動(パブリック・インボルブメント)を成し遂げました。  ボストン湾再生プロジェクトによりボストン湾の水環境は格段に改善され、流域の人々に自身と誇りをもたらすとともに、地域経済の活性化にも寄与しています。


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