Asian River Restoration Network (ARRN)

アジア諸国における河川再生に関する情報交換を目的とした組織として、2006年11月ARRNが設立されました。日本におけるARRNの活動は、日本河川・流域再生ネットワーク(JRRN)が担います。

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国内事例

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揖保川の再生事例(兵庫県・たつの市、姫路市)

 瀬戸内海に注ぐ兵庫県の揖保川は、 生活排水及び皮革等の地場産業からの排水により、水質が全国でワースト3~5位の不名誉な記録を続けていました。
 このため、揖保川流域下水道の整備(下水道事業)が積極的に進められ、下水道普及率の向上とともに、平成6年には皮革排水の処理施設への全量受け入れを達成した結果、 翌年には近畿地方で水質ベスト2位に躍進し、「甦る水100選」にも表彰されました。現在、40数年ぶりに天然鮎の遡上も確認されるなど、清流「揖保川」の復活を社会に強く印象づけ、地元団体主催の釣り大会、いかだ下りが年々盛んになるなど、地域と川の関わりが再生されました。


→甦る水100選

佐奈川の再生事例(愛知県・豊川市、宝飯郡小坂井町、豊橋市)

 愛知県東三河地方を流れる佐奈川では、昭和40年代に周辺の都市化が進み、 昭和53年には下流にある環境基準点でBOD値が60mg/lという汚れた川となりました。しかし、昭和55年より佐奈川流域を含む豊川流域下水道()が整備され始め、 下水道事業の進行とともに河川の水質も大幅に改善されてきました。
 今では、水遊びをする子供たちも見られ、 また堤防を花の回廊にする事業が地域住民の手で進められており、「甦る水100選」に表彰されるなど、地域に愛される川へと変化を遂げています。


→甦る水100選

伏見・高橋川の再生事例(石川県・金沢市)

 金沢市南部を流れる伏見・高橋川は、周辺地区の急速な市街化に伴い、かつて水質の悪化が深刻な問題となりました。BODで10mg/lを常に越えていた水質ですが、昭和51年より始まった下水道整備により3mg/l程度にまで改善されました。
 現在では、鮭の遡上も確認され、以前の清流が復活しています。また周辺住民による「川まつり」が開催されるなど、河川空間が市民の憩いの場となっています。
なお、伏見・高橋川は、下水道事業が水環境の保全回復に果たした川として、「甦る水100選」に表彰されています。


→甦る水100選

椹野川河口域・干潟の自然再生事例(山口県・山口市、小郡町)

 山口市を流れる椹野川の河口域には、西瀬戸内地域有数の広大な干潟が広がり、また渡り鳥の飛来地ともなっており、日本の重要湿地500に選ばれています。
 しかし、上中流域からの浮泥流入や、生活排水対策の遅れ等により、カキ殻の堆積、泥浜干潟の拡大、魚・カニ・野鳥などの生物量の減少減少を招き、干潟生態系の改変・改質が問題となっています。
 このため、産学公の連携・協働した「やまぐちの豊かな流域づくり構想(椹野川モデル)」が平成15年3月に策定され、現在は、干潟の再生やアマモ場の造成等の試験、また野鳥調査や海浜清掃等が行われ、椹野川河口域・干潟自然再生協議会などの関係主体が連携した干潟再生活動が進められています。

早崎内湖の自然再生事例(滋賀県・長浜市)

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現在の早崎内湖(平成20年10月 丹内道哉撮影)


 内湖は、自然生態系の維持や水質浄化に代表される多様な機能を有しています。琵琶湖に接する早崎内湖は、かつては固有種ゲンゴロウブナの琵琶湖最大の産卵場であり、ネジレモ・イバラモなどの貴重な植物が生育し、カイツブリなどの水鳥や留鳥の生息地でした。しかし農地干拓などによりその面積は縮小され、また湖岸堤建設に伴う水辺エコトーンの消失などが、多様な在来生物の生息に影響を及ぼすようになりました。
 そこで、琵琶湖生態系保全の先端的取り組みとして早崎内湖の自然再生事業が始まりました。平成13年度からは干拓農地89haのうち、17haを試験湛水し、内湖再生の検討が進められています。

信濃川の自然再生事例(新潟県)

 信濃川中流域では、治水を重視した河川整備が進められた結果、河川流路の単調化、瀬や淵の減少、高水敷の陸域化、ニセアカシアなどの外来種の繁茂などの新たな問題が発生しました。
 そこで、信濃川中流域水環境改善検討協議会などにより、現在は、水際線(エコトーン)の再生やワンド、旧流路の再生などをはじめとする自然再生事業が実施されています。また、発電取水による河川流量の減少と平滑化により、瀬切れの発生や藻類の異常繁殖などが生じているため、発電事業者の協力の下で平成13年7月より試験的な西大滝ダムからの放流量を増やす取組み(フラッシュ放流)も行っています。放流量増加による下流河川の環境の復元効果や影響を検証しながら、順応的・段階的な水環境の改善に取り組んでいます。


→RIVER FRONT 信濃川の多様な自然環境の再生(2003/Vol.48)

野川の自然再生事例(東京都・国分寺市、小金井市、調布市、三鷹市)

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野川調節池周辺(平成20年8月 丹内道哉撮影)

 

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小金井新橋付近(平成20年8月 丹内道哉撮影)


 東京都を流れる野川の周辺は、かつては湧水や森林、また湿地や植生帯など多様な自然環境が広がっていました。しかし、現在は沿川の市街化や土地利用の変化により自然環境の多様性は損なわれつつあります。
 そこで、洪水を防ぐ目的で設置された野川調節池及びその周辺において、湧水等を活用した湿地等の再生、多様な生きものの生息・生育空間や、人と自然とがふれあえる環境学習の場を想像する事業(野川第一・第二調節池地区自然再生事業)が行われています。

三番瀬の自然再生事例(千葉県・船橋市、市川市、浦安市、習志野市)

 東京湾奥部の千葉県船橋・市川両市の沖に広がる三番瀬は、戦後の大規模な埋立てや後背地の都市化により、流入する河川とのつながりが弱まった結果、汽水環境の減少や、海域面積の減少、また地盤高低下による浅海域化等の問題が生じました。
 そのため、三番瀬の自然を再生するために、広く住民が参画する三番瀬再生計画検討会議(円卓会議)が設置され、かつての干潟を取り戻し、生物多様性を確保し、高い水質浄化機能やアサリ、カレイ、ノリ等を育む豊かで安定した漁場を持ち、水鳥類の中継地や人と自然とがふれあう水辺空間を創造する取組み(三番瀬再生事業)が行われています。

鬼怒川の自然再生事例(栃木県)

 鬼怒川では、土砂供給量の減少や砂利採取等により大幅に河床が低下しています。この結果、みお筋の固定化や砂州の単列化、河原の冠水頻度の減少、シナダレスズメガヤなどの外来種等の侵入・繁茂などの問題が生じ、河川が本来持つ礫河原が失われつつあります。
 とりわけ、絶滅危惧に瀕するカワラノギク等の礫河原に生育する植物の保全・再生が重要なことから、礫河原の再生、カワラノギク等の自然環境の再生や、河原固有生物が持続的に生息・生育できる環境づくりを柱とした自然再生事業が実施されています。


→RIVER FRONT 鬼怒川の多様な自然環境の再生(2003/Vol.48 )

サロベツの自然再生事例(北海道・豊富町)

 平成17年にラムサール条約に登録されたサロベツ原野は、酪農の発展による農地整備に伴い乾燥化が進行し、クマザサなど乾燥性の植物が増えつつあります。また、農地化に伴う泥炭地の排水事業により、湿原の水位低下が問題となっています。
 そこで、乾燥化しつつある湿原を復元し、また農地に緩衝帯を設置し湿原を保全するなど、「湿原と農業との共生」を目指したサロベツ自然再生事業が実施されています。

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国内事例

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