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神通川は、岐阜県・富山両県を貫流して富山湾に注ぐ、豊かな水量と良好な自然が残る川です。
しかし、最近まで行われていた砂利採取により瀬や淵の消失や縮小が起こり、サクラマスなどの減少を招いています。
そのため、河川の連続性の確保(魚道の改善)や淵の再生に取り組み、“サクラマスが増える河川環境を再生し、川本来の姿を取り戻す”ことをスローガンとした神通川自然再生プロジェクトが行われています。
→RIVER FRONT 神通川の多様な自然環境の再生(2003/Vol.48)
【神通川に関する書籍はこちら】
神通川と呉羽丘陵―ふるさとの風土,広瀬 誠 (著) ,桂書房 (2003/10) 日本の川―自然と民俗 (4) ,新公論社 (1989/10)
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通船川は、新潟市津島屋(つしまや)で阿賀野川と分かれ、山の下閘門のわきで栗ノ木川を合流して信濃川に注いでいます。
古くは木材加工業が盛んで、舟運が発達しており重要な交通路でしたが、昭和41年に完成した山の下閘門排水機場により生活・工場排水が集中化し、この二本の川は日本ワーストワンの水質になったこともあります。
しかしながら、通船川・栗ノ木川ルネッサンスをはじめとする活発な市民活動を土壌とした「通船川・栗ノ木川下流再生市民会議」による住民参加、激特事業を利用した河川敷地の緑化、「河口の森」での植樹などにより、自然豊かで、子供が泳ぎ、船が通い、流域に活気が溢れ、次世代に誇りをもって贈れる川づくり(自然再生)が実現しています。
→RIVER FRONT 通船川・栗ノ木川再生物語(2004/Vol.49)
【通船川・栗ノ木川に関する書籍はこちら】
通船川物語-『愛されて、誇れる川を目指して』, 通船川物語編集委員会,合資会社エコライン (2002/7)
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阿賀川は、平成14年の2度にわたる台風により河岸決壊や漏水等の被害を受け、全川に渡り9地区15か所で災害復旧工事が行われました。
その際、環境への影響が予想されたため、有識者等からなる環境アドバイザーの指導・助言を受けながら、災害復旧事業及び河川改修事業を実施し、湧水やワンド、多くの瀬、淵が存在する良好な水環境や広大な河原を極力改変せず、魚類や河原植物の生息環境の保全が図られています。
また、事業実施後も環境モニタリング調査を行い、多自然川づくりの充実を図っています。
→RIVER FRONT 阿賀川における多自然型川づくりの事例(2006/Vol.55)
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湯沢市に位置する雄物川上流部の大久保頭首工は、湯沢・雄勝地方の穀倉地帯を支える農業用の取水施設として利用されてきましたが、「固定堰」のためゲート開閉ができず、洪水発生時は堰上げにより水位が上昇し、氾濫被害が発生していました。また、片側魚道・河床低下により魚類が迷走し遡上できず、さらに、河床の低下、低水路幅の縮小、砂州植生の樹林化が進行し、礫河原が存在する雄物川の環境が失われつつありました。
そこで、「特定構造物改築事業」により大久保堰の改築が行われ、雄物川が本来有する瀬・淵、砂州が連続した河床環境等のダイナミズムの復元による河川環境が回復しています。また、両岸への魚道整備により、あらゆる魚種が遡上可能となるよう配慮されています。
→RIVER FRONT 雄物川の多様な自然環境の再生(2003/Vol.48 )
→リバーフロント研究所報告 雄物川における河川のダイナミズムと河川環境の回復に向けて
→リバーフロント研究所報告 雄物川における河川のダイナミズムと河川環境の回復に向けて(第2報)
【雄物川に関する書籍はこちら】
雄物川と羽州街道 (街道の日本史),国安 寛 (編集) ,吉川弘文館 (2001/03)
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砂鉄川は、平成14年の台風で氾濫を起こし、北上川合流部付近では甚大な洪水被害が発生したため、合流部付近の蛇行部は直線河道に改修されました。
しかし、このショートカット区間の魚類数が自然河岸区間と比べ著しく減少したことを受け多自然型川づくり事業が始まり、流速や照度を低減させる木杭群を設置するなど、魚類の生息環境を考慮した水際域が修復され環境改善が図られつつあります。
→RIVER FRONT 砂鉄川の多様な自然環境の再生(2003/Vol.48 )
→砂鉄川流域ウォータープラン(環境省)
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現在のヌップク川(平成21年6月 沼田彩友美撮影) |
アダプトプログラムの案内標識(平成21年6月 沼田彩友美撮影) |
北海道帯広市を流れるヌップク川は、地域住民の憩いの場、そして環境学習の場として長く親しまれてきましたが、近年、水量の低下、及び上流畑地部からの土の流入等による土砂の堆積や護岸の崩壊等が起こり、親水空間としての環境が損なわれつつあります。
そのため、環境省の自然共生型地域づくり事業として、市が水産庁のさけますふ化場跡地を購入し、保全整備事業を進めています。
また、市民参加による河川復元事業、市民・行政・企業が一体となったグラウンドワーク事業、北海道内の河川では初めてのアダプトプログラム(里親制度)など、先駆的な環境保全事業を官民連携で展開しています。
→自然再生ネットワーク(環境省)
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礫河床を再生した区間(平成19年6月 阿部充撮影) |
真駒内川は、石狩川水系豊平川の支流で、全国に先駆けて「近自然河川工法」という理念を入れた整備が行われました。コンクリートブロックを玉石に変え、魚道を多段式にし、また低水路の中に間伐材を入れて蛇行させる工夫がなされています。
また平成11年からは、川遊びを楽しみ、そして川遊びを通じて川の自然やサイエンスを体験する、真駒内川水辺の楽校が開始されています。
→真駒内川水辺の楽校
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ビオトープ施工中の姿 (出典:リバーフロント整備センターHP) |
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施工後5ヵ月後の姿 (出典:リバーフロント整備センターHP) |
荒川ビオトープは、河口から57km の荒川本川中流部に位置しています。ここでは、河川敷の麦畑や牧草地などの平坦地を改善し、隣接する北本自然観察公園とあわせ大規模な自然を確保し、生物の生息環境の整備が進められています。また、下流域では水辺空間の整備の一環として、再開発事業と一体となった堤防整備も行われています。
→更に詳しい情報はこちら(PDF 182KB)
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北九州市の北西部に位置する洞海湾では、重化学工場の集積により有害物質が蓄積され、一時は「死の海」とも呼ばれました。
しかし、洞海湾環境改善プロジェクト(市民参加による洞海湾の港湾環境修復検討事業)など、婦人会による住民運動や、北九州地区労働組合の活躍により、洞海湾の浚渫などの結果、魚介類の宝庫へと蘇りました。沿岸には現在も重化学工業工場群が残るものの、水質は著しく改善され、また洞海ビオパークや道北緑地・奥洞海緑地が計画されるなど、野鳥や動植物が多く生息する環境へと再生されています。
→更に詳しい情報はこちら(PDF 29KB)
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再生事業前の姿 (出典:リバーフロント整備センターHP) |
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再生事業後のいたち川 (出典:リバーフロント整備センターHP) |
横浜市を流れる二級河川のいたち川は、過去の河川改修によって平瀬化して貧相な環境となりましたが、失われた自然を復元するため、昭和57年から低水路整備による水辺の自然復元が始まり、現在までに約3kmの再生事業が完了しています。また、平成3年度よりふるさとの川整備事業が導入され、公園施設や市民利用の施設等を取り込んで、周辺の景観や地域整備と一体的に河川改修により、良好な水辺空間の形成が住民参加のもと進められています。 いたち川の再生では、平常時における水深を確保(河川改修される前の水深に復元)すること、水辺に植生を回復すること、そして瀬や淵などの河床の微地形を復元することをねらい、試行錯誤を重ねながらさまざまな工法の適用の結果、現在では自然豊かな水辺が復元し、地域に愛される川となっています。
なお、平成7年度、平成10年度手作り郷土賞に選ばれています。
→更に詳しい情報はこちら(PDF 31KB)
→いたち川都市基盤河川改修事業の効果についてはこちら(国土交通省 関東地方整備局 ホームページへリンク)
→手作り郷土賞 平成10年度(国土交通省総合政策地域づくりホームページへリンク)
【いたち川に関する書籍はこちら】
○ふるさとの川をつくる ふるさとの川モデル事業整備計画事例集(Ⅰ)
○うるおいのある水辺づくり かながわの多自然水辺づくり事例集(神奈川県県土整備部)
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