「雨展」に関わる九州地方整備局案内ページ
JRRNも企画運営に協力する『あらぶる雨・めぐみの雨「雨展」』が、九州地方整備局主催、水の巡回展ネットワーク企画制作で九州地方の8会場で開催されます。
身近な存在の「雨」ですが、時には猛威を振るい、私たちの暮らしに大きなダメージを与え、一方では、私たちの暮らしには欠かせない水を供給し、日々の生活を支えています。
本巡回展示は、「雨」に関する様々な展示物を通じて、水災害に関する知識、また河川環境保全の大切さを学ぶことを目的に開催します。
【展示期間及び展示会場】
① 筑後川防災施設 くるめウス(住所:福岡県久留米市新合川1丁目1-3)
展示日時:令和4 年1 月15 日(土)~1 月25 日(火)9 時30 分~17 時※月曜休館
② 嘉瀬川防災施設 さが水ものがたり館(住所:佐賀県佐賀市大和町尼寺3247)
展示日時:令和4 年1 月29 日(土)~2 月8 日(火)9 時30 分~17 時※月曜休館
③ 大野木場監視所【愛称:大野木場砂防みらい館】(住所:長崎県南島原市深江町戊2100-1)
展示日時:令和4 年2 月12 日(土)~2 月23 日(水)9 時~16 時30 分
④ 白川地域防災センター【愛称:白川わくわくランド】(住所:熊本市中央区東子飼町8-55)
展示日時:令和4 年2 月26 日(土)~3 月8 日(火)9 時~16 時30 分※月曜休館
⑤ 鶴田ダム管理所(住所:鹿児島県薩摩郡さつま町神子3988-2)
展示日時:令和4 年3 月11 日(金)~3 月22 日(火)10 時~17 時※土日祝日閉庁
⑥ 資料館 五ヶ瀬川リバーパル(住所:宮崎県延岡市牧町河口付近埋立地内)
展示日時:令和4 年3 月25 日(金)~4 月5 日(火)9 時~16 時30 分※火曜休館
⑦ ななせダム管理庁舎(住所:大分県大分市大字下原1546-4)
展示日時:令和4 年4 月8 日(金)~4 月19 日(火)10 時~17 時※土日祝日閉庁
⑧ 遠賀川地域防災施設 遠賀川水辺館(住所:福岡県直方市溝堀1-1-1)
展示日時:令和4 年4 月22 日(金)~5 月10 日(火)10 時~17 時※月曜休館
たくさんの皆様の展示会場へのご訪問をお待ちしております。
※「雨展」に関わる九州地方整備局案内ページ
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日時: 2022年01月24日 18:15
日本河川・流域再生ネットワーク(JRRN) 代表 土屋信行
2022年、新年明けましておめでとうございます。
皆様には日頃よりJRRNのネットワーク活動にご協力いただきまして大変ありがとうございます。
今年は本格的に「流域治水」に取り組む年にしたいと思います。言葉としては古く、全く新しい概念ではありませんが、近代土木工学として洪水を河川に閉じ込めようと考えてきた流れからは、一線を画する取り組みです。河道に閉じ込めてきた洪水を氾濫流域をも含め、全体でとらえて安全性を確保する考え方です。温故知新。このような取り組みには歴史的に「信玄堤」「水塚、水屋」「水田遊水池」など多くの「洪水域に住む作法」として伝わってきました。また、流域内での上流地域と下流地域の結びつきも今以上に強い結びつきがありました。その一例が関東の荒川です。
荒川の最上流源流点は標高2,475mの甲武信ヶ岳です。甲州・笛吹川・富士川、武州・荒川、信州・千曲川・信濃川の3つの国と3大河川の分水嶺です。その武州の最上流に「三峯神社」があります。霊験あらたかな白い「気」のお守りで有名な神社です。この神社の参道にはたくさんの三峰講の寄進を記録した石碑が建立されています。これらの石碑に刻まれた文字を読んでいくと「日本橋講」「神田講」「築地講」「木場講」「谷中講」「品川講」「堅川講」「葛西講」「宇田川講」など、荒川の最下流の江戸の町の名が連なっています。同時に江戸市中には駒込、入谷、浅草、品川大井などに三峰神社が祭られています。なぜ、荒川の最上流と最下流まで170㎞も離れた地域の結びつきがこれほどまでに強いのでしょうか。三峰神社は火除けの神様です。一方江戸は「火事と喧嘩は江戸の華」ともいうような火事の多い地域でした。そのために「火事と火防」という信仰心はもちろんなのですが、それ以上に人々が動いた根本的動機が「地域経済の結びつき」です。
火事になると必要になるのか、燃えてしまった家屋を再建する材木です。その木材をどこに頼ったかというと荒川の最上流の秩父の森なのです。最上流の森林で伐採した木材を運び出すには急峻な山道を下らなければなりません。やはり大きな材木を運ぶには川を使わなければなりませんが、荒川は水量の少ない川です。そこで工夫されたのが「鉄砲堰」です。山間地域で川の水を大量にせき止め、この水を一度に開放し鉄砲水を起こすことで荒川本流まで材木を押し流したのです。本流では筏を組み江戸木場まで運びました。木場ではこの材木をいつでも供給できるように製材、保管していたのです。この上下流それぞれの地域経済を支え結び付けていたのが荒川なのです。
また、主に中流域の礫河原地帯では河川内樹木が繁茂してしまいます。しかしこれも人々の営みの中で河川敷で育った樹木は薪炭として利用されてきました。河川敷を入会地として地域の共同管理地として収穫される魚介類や樹木を分け合ったのです。こうやって河川敷樹木が繁茂して洪水を起こすことを防ぎ、時には根起こし跋根することで底床部の石が荒らされることにより、底生生物の環境も維持されてきたのです。
この様に河川を維持する技術は私達の生活に根差した作法として継承されてきました。小さな自然再生の活動を含め河川再生に向けた取り組みは、川と私達の付き合いを見つめ直すことです。そして私達の地域での活動が上下流地域の相互の生活を認め合うことになる、それが「流域治水」として大きな成果に繋がると信じています。
これからもJRRNの情報ネットワークはさらに皆様と強固に繋がり、地域から国レベルの方向性へ、力強い活動をしていきたいと思います。
今年も各地で大いにご活躍ください。どうぞよろしくお願いいたします。
2022年 元旦
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日時: 2022年01月07日 20:48