Asian River Restoration Network (ARRN)

アジア諸国における河川再生に関する情報交換を目的とした組織として、2006年11月ARRNが設立されました。日本におけるARRNの活動は、日本河川・流域再生ネットワーク(JRRN)が担います。

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JRRNからのお知らせ

< 2024年1月:月別アーカイブ >

JRRNより新年のご挨拶

日本河川・流域再生ネットワーク(JRRN) 代表 土屋信行

 2024年、新年明けましておめでとうございます。

 皆様には日頃よりJRRNのネットワーク活動にご協力いただきまして大変ありがとうございます。

 昨年はコロナ過も終了して本格的な活動が各地で再開されました。多くの会員の皆様が全国各地で河川再生に取り組んでくださっています。会員の皆様からは、久しぶりにたくさんの方々が集まって活動できることの喜びを多くお寄せいただいています。その情報はどれも有意義で、皆様の楽しそうで生き生きとした取り組みの様子を彷彿とさせてくれます。

 昨年はJRRN主催「小さな自然再生」現地研修会も5回開催いたしました。9月には岡山県の日笠川、10月には滋賀県の米川、兵庫県の出石川、そして11月には新潟県の只見川、滋賀県の愛知川に注ぐ水路において、地元で奮闘される方々と連携し研修会を開催することができました。それぞれの河川ではそこの場でしか出来ないことがきちんと丁寧に取り組まれています。このことはとても大切なことで、皆さんが取り組まれようとされていることは全国唯一でその場でしかできないことです。これまでの活動をまとめた小さな自然再生の事例集を2冊発行いたしましたが、それをそのままの形で適応しないことが成功の元です。皆さんの目の前の川でしかできないことを創意工夫することが、自然再生活動なのです。失敗することも楽しんでください。何回も失敗しないと最適解は見つからないかもしれません。

 「桜のある水辺風景2023」へも多くの方々よりInstagramに投稿頂き、昨年6月に優秀賞を発表させて頂きました。今年も桜の花が咲き始めましたら、大いに川辺の桜を楽しみながら映した写真をご投稿ください。この取り組みも、全国各地の川の様子を会員の皆様に知っていただく素晴らしい機会になっています。写真の技術的な良し悪しではなく、それぞれの地域の川の景観の「恵」を共有しましょう。日本の河川には明確な「脅威と恵み」の時期があります。春の桜は大きな洪水の心配が無く、心置きなく美しい風景を楽しめる季節です。ご家族やお友達などをたくさん誘って、川の恵を満喫してください。一人でも多くの方々に川に興味を持っていただくとても良いチャンスです。大いに仲間を増やそうではありませんか。

 昨年は国際交流も本格的に再開されました。私達JRRNを含むアジア地域のネットワークであるアジア河川・流域再生ネットワーク(ARRN)メンバーの韓国、中国とのリアルな行き来が出来るようになり、私は韓国河川協会主催「2023河川管理ワークショップ」にゲストスピーカーとして招聘をいただきました。日本の最近の取り組みとして「流域治水」をご紹介するとともに、「小さな自然再生」の取り組みもお話したところ、広く市民を巻き込んだ素晴らしい活動だと大きな評価を頂きました。10月にはその韓国河川協会の方々が来日し、日本の河川を視察されました。大阪の寝屋川地下河川や淀川、琵琶湖、また黒部川をご覧いただきました。流況の似た韓国と日本の技術交流の意義を大いに感ずる良い機会になりました。

 11月にはARRN主催の国際フォーラムに参加し、中国の「三峡ダム」と「南水北調」という長江の水を北京や天津まで送水する大規模な河川の取り組みを見学いたしました。二つの取り組みとも、それぞれ100年、70年という年月をかけて完成させています。「水を治るものは国を治む」というが如く、まさに100年の大計を成し遂げたスケールの大きい河川事業を体感することが出来ました。

 ここで注目したい事は、ついつい三峡ダムというと、大規模な土木構造物ばかりに目が行きがちなのですが、この大規模事業が自然保護の取り組みとして「生態系の保護と維持」に確実に取り組んでいることです。三峡ダムにはそのための部署があり、大変大きな研究所も併設されていました。なんとその研究所には日本に留学された若い研究者がいらっしゃって、日本語で研究をご紹介くださいました。その方は三峡ダムの目標は治水と発電は当然ですが、生態系の保護は動植物全ての種を保存し、次の世代に引き継ぐことだとおっしゃっていました。これには大いに感銘を受けました。私達の「小さな自然再生」も、まずは一歩ということで頑張りたいと思います。

 今年も皆さん、それぞれの河川でそれぞれの取り組みをそれぞれの形で頑張りましょう。そこに必ず子どもたちを参加させて、それぞれの河川の河川文化を育みましょう。そして次の世代に美しい日本を引き渡しましょう。

 JRRNの活動も幅広い分野での取り組みを展開していきたいと思います。大いにネットワークの活動を盛んにしていきましょう。

 今年もどうぞよろしくお願いいたします。

2024年 元旦

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