Asian River Restoration Network (ARRN)

アジア諸国における河川再生に関する情報交換を目的とした組織として、2006年11月ARRNが設立されました。日本におけるARRNの活動は、日本河川・流域再生ネットワーク(JRRN)が担います。

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JRRNからのお知らせ

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JRRN事務局より年始のご挨拶


 2012年、新年おめでとうございます。皆様におかれては日頃よりJRRNのネットワークの活動にご協力いただき感謝申し上げます。
 昨年我が国は3月の東日本大震災により、甚大な被害を受けました。被害に遭われた方々には心からお見舞い申し上げるとともに、早期の復興をお祈り申し上げます。
 私たちはこの大震災によって科学技術の限界を問われるような多くの課題を突きつけられました。1つは起こるはずがないと思っていたことが本当に起こったことです。今回の大震災がなかったら、現実に30mを越える津波が起こるとはだれも信じないでしょう。大震災に限らず、起こりそうもないリスクに今後どう備えていくのか提起されました。もう一つ、快適な生活とリスクの問題です。原発なしでは電力不足で生活に支障が出ると言われています。しかし、今回の原発事故のように未完成な科学技術に頼ってリスクを抱えつつ、快適な生活を追い求めることが本当に幸せなのか問われています。
 河川再生でも、その技術は年々進歩して様々な河川再生ができるようになりました。しかし、技術だけでよいのでしょうか。夢想国師は「夢中問答」で「山水には得失なし、得失は人の心にあり」と述べています。日本人の心にある「自然観」は、「神話的自然感」を原点にして、時代を追って「仏教的自然感」が加わるなど、独自の自然感をつくりあげてきました。しかし、いつからか信仰心の喪失、欧米思想の導入などとともに、日本人の心に「自然感」と言えるものが消えてしまったようです。私たちは「自然感」無くしてふさわしい河川再生ができるでしょうか。河川再生とともに日本の自然感も再生する必要があるのではないでしょうか。今年はJRRNの中でもどんな「自然感」を持った河川再生を行うのかについて議論してみたらどうでしょうか。
 JRRNでは、主な活動として、国内外の河川再生の話題を集約してみなさまにお知らせしている週1~2回の「ニュースメール」、月1回の「ニュースレター」の発刊、河川環境ミニ講座の開催、また、河川再生の事例収集・分析およびWebでの公開を行っています。これらに加えて、JRRN は ARRN(アジア河川・流域再生ネットワーク)事務局として活動しています。
 昨年11月には4年ぶりに東京で、ARRN運営会議と国際フォーラムを開催しました。また、3月には「よみがえる川~日本と世界の河川再生事例集」を新たに発刊しました。さらに、既に作成した「アジアに適応した河川環境再生の手引き」のバージョンアップを進めています。
 JRRN は現在、個人会員が約540 名、団体会員が約40団体であり、順調に増加しています。JRRN 事務局としては情報提供や会員どうしが有意義な交流ができるようにさらに努力していきたいと考えています。JRRN は皆様の協力を得て、本年も多くの課題を乗り越えて河川再生の発展に貢献できるように努力していきますので皆様のご支援をよろしくお願いいたします。

JRRN事務局長 佐合純造

    
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