Asian River Restoration Network (ARRN)

アジア諸国における河川再生に関する情報交換を目的とした組織として、2006年11月ARRNが設立されました。日本におけるARRNの活動は、日本河川・流域再生ネットワーク(JRRN)が担います。

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JRRNからのお知らせ

< 2019年1月4日:日別アーカイブ >

JRRNより新年のご挨拶

日本河川・流域再生ネットワーク(JRRN) 代表 土屋信行

 2019年、新年明けましておめでとうございます。

 皆様には日頃よりJRRNのネットワークの活動にご協力いただきまして大変ありがとうございます。

 昨年は JRRN の会員も増加し、アジア地域における各国の活動の情報を共有するARRN の活動も日本が事務局をお引き受けして、8月に東京大会を開催し、各国の方に渡良瀬遊水地の現地を視察していただきました。大いに情報交換をして、国際的な結び付きを再確認しました。

 今年は、全国の小さな自然再生の担い手が集い、各地の経験や挑戦を仲間と共有し、今後の更なる推進に向けて意見を交換する「第1回小さな自然再生サミット2019 神戸大会~できることから始めよう~」を2019年1月26日(土)~27日(日)に神戸(デザイン・クリエイティブセンター神戸、KITO)にて開催致します。合わせてフィールドに出てみようということで、阪神電鉄・魚崎駅に集合し住吉川に見学に行くことも計画しています。たくさんの皆様のご参加をお待ちしております。

 昨年を象徴する漢字に「災」が選ばれました。まことに災害の多い年でしたね。とりわけ西日本豪雨(正式名称は平成30年7月豪雨と決まりました)では、6月末から7月にかけて各地で大雨が降り、死者行方不明者合わせて230人を超えるという大きな被害を出してしまいました。

 岡山県倉敷市真備町では高梁川の氾濫、広島県では土砂崩れや浸水による被害が相次ぎました。広島県の南部では土石流・土砂崩れが5,000箇所以上で発生(16日)。通常では崩落しにくい山頂部の崩壊も多発し、豪雨の凄まじさを裏付けました。広島県の住宅被害は浸水も含めると19日までに38,000棟に及びました。

 このような大きな洪水が発生して、きっと皆さんが各地で進めている小さな自然再生の取り組みも被害に会われたのだろうと推察しています。これまでの取り組みが全滅してしまった地域もあるかもしれません。でも、ここでお願いがあります。災害があったということで、もう駄目だとあきらめて小さな自然再生への取り組みをやめないでいただきたいのです。ちょっと悟ったようなお話ですが、自然と共生することとは、今年のように大自然の営みが、猛威をむき出しにして襲い掛かってくることも受け入れなければなりません。鬼怒川、荒川などの川の名前は、そのような自然の営みの中で命名されたのです。鬼怒川の昔の名前は「衣川、絹川」という名前でした。しかし、ある時大変な大洪水が起こり、静かな川が、怒りをむき出しにした鬼のようだということで、怖い名前の漢字をあてたのです。荒川も洪水のたびに流路を変える予測のつかない暴れ方をする川だということから「荒ぶる川」と呼んだのです。そしてこのような命名には災害に対する、「後世の人々に対する警鐘」の意味があったのです。

 私たち日本の歴史はまさに災害の歴史です。でもそこには災害に打ちひしがれて涙を流し続けるよりも、新たな未来へ向かって見事に復活した言い伝えがたくさん伝承されています。今、私たちが将来への取り組みを継続することが、次の世代の人々へのメッセージとなるのです。

 そして、お願いします。自然の脅威の前に果敢に挑戦する皆さんの姿を、次の時代を担う子供たちに見せてやってください。時として涙する姿でも構いません。取り組んでいる姿、それこそが次代を担う子供たちの心を強くすると思うのです。

 今年も各地で大いにご活躍ください。どうぞよろしくお願いいたします。

2019年元旦

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