多摩川ニュース「本年の多摩川アユ調査の中間報告」
シラスアユ(天然アユの稚仔魚) |
JRRN会員で、淡水魚類研究家の山崎充哲さんより御提供頂いた「多摩川アユ最新ニュース」を紹介致します。
多摩川ニュース配信 平成20年2月7日
「多摩川天然アユの赤ちゃん、今年も多摩川河口で確認。」
毎年続けています多摩川天然アユの稚魚調査は順調に回を重ね、今年も多摩川河口にてシラスアユ(天然アユの稚仔魚)を確認しました。
体調3センチ程度の透き通った魚体はガラス細工のように繊細です。(写真)
昨年は大きな台風が多摩川を襲い、増水と濁り水のため産卵が危惧されました。平年より少し遅れた12月には親アユが大挙して産卵をし、例年よりも多くのアユの産卵が見られました。川崎河川漁協でもアユの産卵場の調査と保全、カワウによる食害の防止活動などを実施。
19年11月18日には漁協のイケスにて飼育していた、多摩川天然アユの人工授精をし、50万粒の発眼卵放流をしました。孵化した稚アユたちは順調に河口付近まで下り、水の暖かな河口や付近の東京湾で育っているものと思われます。
シラスアユはまとまった数の確認ができましたので、今年の春も多摩川に天然アユが多数遡上してくるものと予想されます。清流を取り戻した多摩川に毎年アユが戻り、命をつなぐ産卵や稚仔魚が育つ河口も良好な環境になった多摩川を皆様にお伝えできればと思います。
問い合わせ
- 〒214-0038 川崎市多摩区生田7-25-1
- 電話 044-933-3220
- 携帯 090-3209-1390
- 川崎河川漁業協同組合 総代 山崎充哲
- メールアドレス MLC54407@nifty.com
- ホームページ http://homepage2.nifty.com/gasagasaaqua/
※参考資料
調査方法:多摩川に生息している全ての魚類を1ヶ月に1~2回、当漁協の管轄内と河口までを調べています。混獲されたアユをピックアップし統計を取っています。
1回目 11月中旬
北原式定量ネットを用い、下記の6カ所にてアユの流下稚仔調査を実施しました。
- 多摩川河口ゼロキロメートル付近
- 多摩川河口大師橋上流付近
- 中原区調布取水堰下
- 高津区二子新地地先
- 多摩区宿河原堰魚道と堰越流部
- 多摩区上河原堰魚道と堰越流部
1.2.6の地点では稚仔魚の確認はできなかった。
3.4.5の地点は稚仔魚が確認された。産卵場付近のみの確認となった。
2回目 12月後半
北原式定量ネットを用い、下記の6カ所にてアユの流下稚仔調査を実施しました。
- 多摩川河口ゼロキロメートル付近
- 多摩川河口大師橋上流付近
- 中原区調布取水堰下
- 高津区二子新地地先
- 多摩区宿河原堰魚道と堰越流部
- 多摩区上河原堰魚道と堰越流部
全ての地点でアユの稚仔魚を確認。 調査地点上流部にあたる4.5.6では小さい個体が多く、流下途中と思われる。
1.2で確認された稚仔魚は大きさにばらつきがあった。11月に流下した稚魚が成育しているものと思われる。
3回目 1月後半
北原式定量ネットとすくい網を用い、下記の6カ所にてアユの流下稚仔調査を実施しました。
- 多摩川河口ゼロキロメートル付近
- 多摩川河口大師橋上流付近
- 中原区調布取水堰下
- 高津区二子新地地先
- 多摩区宿河原堰魚道と堰越流部
- 多摩区上河原堰魚道と堰越流部
調査地点3.4.5.6では確認できなかった。
1.2で確認された稚仔魚は大きさにばらつきがあり、少し色の付いた少し大きい稚魚が見られ、順調に生育しているものと思われる。
4回目 2月7日
手網にて河口部で調査を実施した。
シラスアユ稚仔魚は大きさにばらつきがあり、少し色の付いた稚魚が見られた。
5回目は2月中頃に実施予定。
途中経過ではあるが、上記のことより本年も多摩川河口には多くの稚アユが生息しているものと思われます。
調査規模と調査回数が少ないため、前年との比較は現状では厳しいところです。
今後において回を重ねることにより、流下稚仔と河口域の稚アユの関係、春に遡上してくるアユの遡上量などが解明されるものと思わる。
By JRRN事務局 | カテゴリー: 会員からのその他案内 | コメント(0) | トラックバック(0)
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日時: 2008年02月14日 10:23
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